「あんなに拍手をして気持ちを伝えたいと思ったことは、初めてでした」
「会場のみなさんが一体となって感動していて、私もマスクがぬれてしまうほど泣きました」
「心痛むことがたくさんあっても、皆さん前を向いて頑張っていることが伝わってきました」
「一生けん命ハンドベルを演奏する姿に涙が止まりませんでした」
7月7日の「七夕朗読会」の後、皆様から寄せられた感想です。第1部の星野富弘さんの「愛、深き淵より。」の朗読は45分の予定でしたが、本番では50分もかかってしまいました。会場は暗くシーンと静まり返っているので、お客さんはいるのかしら…と心配になるくらいでした。皆さん、聴き入ってくださったようです。突然の事故で、首から下が全く動かなくなり9年間もの入院生活を強いられた星野さん、息子の手となり足となり、そして絵の具を混ぜ合わせて星野さんの望む色を作り出したお母様の気持ちに心を寄り添わせ、集中して朗読しました。絶望の果てから希望の光を見出すまでの星野さんをご紹介することができました。
第2部は池上彰さんの朗読で始まりました。「ステージで朗読するのは初めて」と池上さんがおっしゃると、会場から大きな拍手が! 短い時間でしたが、『君たちはどう生きるか』の一節を朗読してくださいました。
知的障がい者のみなさんが奏でるハンドベルの演奏には、思わず泣いてしまいました。「たなばたさま」に続いて、Kiroroの「未来へ」を演奏してくれたのですが、これを聴いていたら泣けてきました。池上さんも涙ぐんでいました。きょうという日が未来へ続くことを信じて一日一日を大切に生きよう!と、彼らの演奏が教えてくれました。
全身性エリテマトーデスという難病であることがわかり落ち込んでいた友人は、病状がおちついたからと駆けつけてくれました。がん闘病中の方もいらっしゃいました。皆さん、「希望を捨てずに前向きに生きます」とおっしゃってくださいました。目の不自由な方たちも「朗読は健常者と同じように一緒に楽しむことができるとわかり、来てよかった」と言ってくださいました。「富弘美術館を囲む会」の方は、「これまでたくさん星野さんの作品の朗読を聞いたけれど、今回ほど感動したことはなかった」と。エンディングに「また逢う日まで」のハンドベルの演奏に加わってくださった池上さんからも「良いステージだったね」と、ひと言メッセージをいただきました。
10年ほど前に、しだいに声が出にくくなり話しづらくなる難病であることが分かった私にとって、これが最後と思って臨んだ朗読会ですが、なんだかまだ頑張れそうな気がしてきました。今回の朗読会で最も励まされたのは、私でした。皆さまからパワーをいただきました。ありがとうございます。