各地でお祭りが再開されましたね。私も先日、八王子市内の市民センターで行われた盆踊りに行って来ました。浴衣姿の人たちが勢ぞろいしている光景を見たら懐かしさがこみ上げてきました。私は盆踊りが大好きな子で、“踊り小町”と言われていました。
私が3歳のころ、母が近所の八幡様の盆踊りに連れて行ってくれました。祖母が町内お揃いの浴衣を着て踊っているからです。母は見るだけと思ったようですが、浴衣を着た私が踊りたいと言ったそうです。見よう見まねで踊る姿がかわいらしく映ったのでしょう。「どこの子かねぇ」「盆踊り、上手だねぇ」と言われたことを覚えています。祖母が「うちの孫だよぉ」と嬉しそうに応えていました。母の話では、少し目を離すと家からいなくなり、八幡様に探しに行くと、ちゃっかり盆踊りの輪の中に入っていたそうです。祖母がいなくてもお構いなしに、夕食後も八幡様に行っていたそうです。3歳で盆踊りデビューした私は「世の中にこんなに楽しいことがあったんだ!」と感激しました。以来、提灯に彩られた櫓の上で踊っている人を見て、いつか私もあの上で踊りたい!と憧れを抱きました。
小学生になったら、町会が子ども用の山車を造ってくれました。山車を引いて練り歩く途中でふるまわれたアイスクリームやかき氷の美味しかったこと! 5年生のときには、八王子まつりで鼓笛隊の一員として甲州街道を演奏しながら行進しました。私は小太鼓の担当でした。沿道の大きな声援が嬉しくて、誇らしい思い出になりました。
あれから数十年! 8月上旬に行われた八王子まつりで、私は初めて運営する立場になりました。八王子まつりは、今では19台の山車と千貫(せんがん)神輿(みこし)が繰り出す関東屈指のお祭りと言われています。財団職員は、警備体制は万全か、山車やお神輿、民謡流しなどのタイムスケジュールを入念に組み立て、熱中症対策も考えながら準備にあたりました。宵宮も入れて3日間の人出は、なんと85万人! 無事に終わってホッとしています。
そして冒頭の市民センターの盆踊りでは、挨拶のあと「炭坑節」が流れました。私は思わず踊りの輪に飛び込んでいました。踊れるかなと心配していましたが、覚えているものですねー!
お祭りには地域の方々の力が必要です。櫓を作ったりテントを張ったり飲み物を提供したり、頭を下げて協力を呼び掛けることから始まります。子どもたちが「お祭り楽しい!」と思ってくれたら、大人になって、お祭りを続けるために力を貸してくれることでしょう。