11月21日、国分寺市にあるいずみホールで「ハートフルトークショー」を行いました。ジャーナリスト池上彰さん、食生活ジャーナリスト佐達達夫さん、それにハンドベルアンサンブル「ぽこ あ ぽこ」の皆さんと共に、毎年行っています。「ぽこ あ ぽこ」は、11月12日、全国公民館研究集会東京大会にもご出演いただきました。
トークのテーマは「食の100年」。開催前に皆さまから「昭和の食の思い出」を募集したところ、たくさんの投稿がありました。最も多かったのが、給食に出された脱脂粉乳がまずかったこと。逆においしかったのは、鯨の竜田揚げでした。友人の家でいただいた粉末ジュースが甘くておいしかった! でも、うちにはなかったら、水にお砂糖を溶いて出したこと。初めて食べたライスカレーのおいしさに衝撃を受けたこと……。おやきやほうとうなど郷土料理をあげる人も多く、質素な食卓を文句も言わず家族で囲み食べていたことや、懸命に働いて育ててくれた親に対する感謝の念を書いてくれた人もいました。まさに「昭和、あるある!」です。
私が以前担当していたNHKの「きょうの料理」は、昭和32年に誕生しました。当時は10分間の生放送。スタジオのカメラは大きいため上下に動かすのも大変だったそうです。そこで、大根の輪切りをする先生の手元を撮影するため、まな板の手前側を少し持ち上げカメラの方に見えやすく工夫したそうです(これを八百屋と言います)。すると輪切りにした大根が転がってしまうので、大根の皮を薄く残して切り、横に倒していったそうです。「きょうの料理」が放送されると。八百屋さんもお肉屋さんもそのメニューをセット販売し、店頭に並べると、あっという間に売り切れたそうです。冷蔵庫の普及率が低かったので、買ってきた物はその日のうちに食べたのです。
続く高度成長期、私には忘れられないニュースがあります。両親に見捨てられた兄妹が、毎日具の無いインスタントラーメンを分け合って食べていました。ある日、悪いことだと知りながら畑の長ネギを盗んでラーメンに入れたら、妹がとても喜んでくれたので、毎日1本ずつ盗んでいたら捕まってしまったというニュースです。切なくて涙が出ました。そんな食の思い出を書いたエッセイを、私は朗読しました。
昭和100年は、飢餓から飽食の時代へと大きな転換期となりました。近年はお米の値段が上がり、世界的な気候変動で農作物の不作も懸念されます。世界の食糧事情に不安を覚えるなか、昭和で最も売れたレコード「およげ!たいやきくん」のハンドベルの音色に、今は亡き父母の顔が浮かんできて、懐かしさで胸が熱くなりました。
今年も、どうぞよろしくお願いします。