近所に住むMさんは、私と夫のピアノの先生です。先生をがっかりさせないようにと、数年間でしたが2人とも頑張りました。先日久しぶりに連絡があり、M先生のボランティアにご一緒させていただくことになりました。知的障がいのある方たちが通っている作業所での音楽活動です。
「皆さん、こんにちは。さあ、きょうも元気に始めましょう!」
そう言ってM先生はキーボードを演奏しながら、「♪こんにちはー どなたですー」と、一人ひとりに名前を言ってもらうことから始めます。全員が職員手作りの歌集を持っています。M先生が「次は何を歌う?」と聞くと、「ドリフターズの、いい湯だな!」というリクエストがあり、たちまち部屋中に「ババンバ バン バン バン」というノリノリの歌声が響きます。1曲歌うごとに気分が高揚しイキイキしてくるような気がします。自分の好きな曲は、椅子から立ち上がって熱唱する人もいます。途中で休憩をはさみ、1時間はあっという間に過ぎていきました。最後に二人のメンバーが私の方に歩み寄ってくるのでどうしたのかと思ったら、「村松さん、きょうは来てくれてありがとうございます」と、お礼の言葉を言ってくださいました。何度も練習したそうで、うまく言えたと全員から拍手がおこりました。思いがけないメッセージに感激し、私の方こそ楽しかったと言いました。先生と私は、たくさんの「ありがとう」に見送られて作業所をあとにしました。
M先生は、別の社会福祉法人でもボランティアをしています。利用者の皆さんに音楽の楽しさを伝えたいと始めたそうです。30年近く続けていると聞き頭が下がりました。参加者が少ない時はがっかりすることもあるそうですが、「行くと私の方が皆さんから元気をいただくので辞められないの」と、おっしゃいます。
始めたころは、職員の皆さんにも歓迎されたそうです。でも、職員も入れ替わり、申し送りができていなかったりするからでしょうか、この人は誰、何しに来たの? という感じで見られることもあるそうです。公民館もそうですが、ボランティアで公民館を支えてくれる方たちの顔と名前は、皆が把握するようにしたほうがいいですね。
無報酬でもいいけれど、「ありがとう」という感謝の言葉はかけて欲しい! そのひと言でがんばれるのだから、ということで意見が一致しました。公民館利用者もボランティアも、そして職員も公民館に関わるすべての人が、心地良く集える場であるためには、「ありがとう」という感謝の気持ちを互いに忘れないことですね。