「体は食べた物でできている。」 これは、食育の講演で必ずお伝えしている言葉です。健康でいるためには食生活が大事ですが、なかなか実感できません。単身で12年間、静岡に赴任していた夫が退職し、夫婦二人の暮らしが始まって3か月が過ぎました。 「見てごらん、すごいぞ!」と言って、夫が見せてくれたのは1週間前に受けた健康診断の結果です。若い頃はヘビースモーカー、お酒も大好きなので生活習慣も相まって、血圧を下げる薬を飲んでいます。おなかも出てきたのでメタボも気になっていましたし、痛風も心配だと言っていましたが、それもそのはず、去年までの健康診断では、悪玉コレステロール値が異常に高く、中性脂肪も尿酸値も高く、立派なメタボリックシンドロームだったのです。 そんな隠れ(隠し)肥満の夫が見せてくれた最新の健診結果は、血圧以外「異常なし」でした。悪玉コレステロールは168から129に、中性脂肪は138から111に、尿酸値は8.3から6.7に、血糖は101から87にと、すべて基準値内に収まったのでした。血圧だけは薬のお世話になって正常範囲を保っています。夫が欣喜雀躍したのも無理はありません。戻って来てからは、歩数計を持って毎日よく歩き、腹筋などの筋トレをして涙ぐましい努力をしていたからです。 運動も大事ですが、最大の功労者は毎日の手料理でしょ!と私は思っています。二人分の料理は自分ひとりの時より手をかけますし、夫もおいしいおいしいと言って食べてくれます。といっても、野菜を心がけて食べるようにしたことぐらいで、特に変わったことはしていません。ゴマやヒジキ、オカラ、カボチャなどを使ったものを作ることが多くなりました。母が昔よく作ってくれた物が、この歳になると自然に食べたくなるようです。 NHKの「きょうの料理」で「忙しい時にはインスタントの出汁でもいいですよね?」と辰巳芳子先生に聞いた時、「ダメです! 長い年月、何をどう食べているかが、体に如実に現れてくるのですから」と、叱られたことがありました。この時、私たちの体は食べた物でできていることを教わりました。夫の3か月間がそれを実証してくれました。食事は健康作りの基本なのです。 先日、「ポケモンGO」というスマホゲームが始まりました。私たち夫婦もおっかなびっくり始めてみました。ポケモンを捕獲するために使うボールは、駅や郵便局、公園、石碑などに配置されているので、それを集めるためによく歩きます。数千歩はあっという間に歩いてしまうので、びっくりです。ポケモン効果がどう出るか今から楽しみです。