肩こりや頭痛めまいに悩む私に、夫が提案してくれました。でも、私はスポーツクラブが好きではありません。走らない自転車をこぎ、太いベルトのような物の上で走っても、景色が変わるわけでもないし楽しくないと思うからです。でも近頃は、体力は落ちているのに体重は増えるばかり。手術したアキレス腱も気になります。そこで、見学してみようとスポーツクラブに行ってみました。
行ってみて、驚きました。老若男女入り乱れて活気にあふれているのです。さまざまなトレーニングマシンが並び、カラフルなウエアを着た人たちが黙々と体を動かしています。80歳を超えていると思われる女性もいます。ヨガ教室では、メタボの男性もマットの上で頑張っています。フラダンス教室では、素敵な衣装を着た女性たちが、壁一面の大きな鏡を前に、指先の動きにまで気を配って踊っています。
プールでは、水中ウオーキングやクロール、バタフライなどそれぞれのペースで黙々と励んでいます。子どもの水泳教室も行われ賑やかでした。今や、健康作りのためにお金を払う時代なのだと実感し、その場で入会することに決めました。
さっそく水着を買いに行き、またびっくり! おしゃれなのです。セパレートタイプのものは、下は半ズボン、上は半袖で前にファスナーがついているので着るのも楽です。そのまま外を走ってもおかしくないようなデザインです。「ウオーキングならセパレートタイプでいいですが、タイムを競うならオリンピック選手が着るようなワンピースタイプがお勧めです」と聞き、私は迷わずワンピースタイプにしました。大会に出場したいと思ったからです。
そんな闘志を胸に秘め、プール初日、平泳ぎで水の感触を確かめるようにゆっくり泳いでみました。ところが、25メートルのなんと長いこと、途中で息苦しくなってしまいました。
小学生の頃、私は水が怖くて2年生までプールの水に顔をつけることができませんでした。3年生の時、大プールに足から飛び込むことができず、最後の一人になってしまい、プールサイドに座って足から入ったことを覚えています。その夜、母とお風呂に入り、プールが大嫌いだと訴えたら、母が洗面器の水に顔をつけるコツを教えてくれました。
それ以来、私はプールが大好きになりました。中学生になると、校内水泳大会の平泳ぎで優勝し、私はバレー部でしたが、水泳部に頼まれ中学代表として市の大会に出場した事もありました。この頃から私は、"河童のような真貴ちゃん"なので「かっぱマキ」と呼ばれるようになりました。きゅうりのかっぱ巻きも好きだったので、私はこのニックネームが気に入っていました。
数十年ぶりに泳ぎながら、また「かっぱマキ」と呼ばれるように記録に挑戦しようと思いました。"かっぱマキの金メダルへのターン"頑張ります!