昨年11月号の本誌に「公民館で婚活」の特集がありました。就活と同様に今や婚活もビジネスになるほどです。出会いの場が少なく、異性とどう付き合ったらいいのか分からなくて悩んでいる人が多いのです。
私達は、会話のキャッチボールをしながら、相手を理解し、心をつなげていきます。婚活の場でも力を発揮するのは、この、会話を続ける力です。そのために心がけておくといいことは、「YES」「NO」で答えられないような問いかけをすることです。たとえば、「きょうは良い天気ですね」と話しかけると、「そうですね」で終わってしまいます。でも、「どちらにお住まいですか?」と尋ねれば、地名や駅名が返ってきます。その土地に関する記憶や知識を総動員して会話を続ける工夫をすれば良いのです。全く知らない所であっても、「行ったことがないのですが、どんな所ですか? 特産品は何ですか?」などと尋ねれば、相手はきっといろいろと話してくれるでしょう。相手の答えをきっかけに、また話をつなげていけばいいのです。
また、ボールは受けたら返さないとキャッチボールになりませんね。「どちらにお住まいですか?」と聞かれたら、同じ質問を相手に返してあげることもコツです。
先日、NHK学園やNHK文化センターの話し方教室に通ってくださるある男性が、 「先生のアドバイス通りに質問したのに逃げられちゃって、うまくいきませんでした」と、苦笑いしながら報告してくれました。どんな質問をしたのか尋ねたら、今の政治について相手の考えを求めたというのです。いきなり政治の話をされたら、戸惑ってしまいますよね。やはり始めは、趣味の話や、最近見た映画や読んだ本、テレビ番組、仕事やペットなど、当たり障りのない話題から始めた方がいいとアドバイスしました。外堀から攻めていくことがコツですね。
気の利いた声のかけ方が分からなかったら、「このオードブル、おいしいですよ。もう召し上がりましたか?」と、料理を題材にするといいですよ。また、「そのネクタイ、似合っていますね。自分で選んだのですか?」というように、洋服や身につけている物をきっかけに会話を始めるのもいいでしょう。
忘れてはならないことは、笑顔です。笑顔で話すと、声も優しくなります。相手との垣根を取り払ってくれます。親しくなりたいと思ったら、笑顔で話しかけましょう。こうした婚活力は、仕事にも活きてきますよ。
良い出会いがありますように……。