先日、「全国ラジオ体操連盟 公認一級指導士」という方にお会いしました。"ラジオ体操"懐かしい響きです。小学生の頃は、夏休み早朝のラジオ体操に参加して鉛筆をもらうのが楽しみでした。最後にラジオ体操をしたのは、NHKのラジオ番組で指導員を招いてお話を伺った時でした。ラジオ体操は、体を動かすために必要な運動を組み合わせたものなので、毎日続けることで健康を保つ効果があるということでした。当時20代だった私は、体が柔らかく、ラジオ体操が上手だと褒められたことを覚えています。
先日、足が痛いという母を、実家の近所にできた鍼灸整骨院に連れて行った時のことです。待合室にいた女性が、肩こりがひどくて、何か所も試したけれど一向に良くならず、ここに通い始めたら楽になったと話してくれました。それを聞いて、私も治療してもらおうと思い立ちました。肩こりによる頭痛や目まいに悩まされていたからです。
静かな音楽が流れ、カーテンで仕切られた診察台では、皆気持ちよさそうに治療を受けているようでした。やがて母が呼ばれ、しばらくして私も母とは別の先生に施術してもらうことに。
私は、整体や整骨とは一体どんなことをするのか、全く知りませんでした。
それは、信じられないくらい苦痛を伴うものでした。私に恨みでもあるのか!と思うほど、私の上にのしかかるようにして、体をねじったり、押したりするのです。あまりの痛さに、「ひえ~っ!」と、声を挙げました。
先生は、「これは、ひどい。どうしてこんなに体が硬いのか!」と言って、額に汗しながら治療してくれました。
首の後ろの頭との境目あたりに先生の指が入った時です。あまりの痛みに私はのけぞりました。 「あーっ、痛い! でも気持ちいい! そこです。そこなんです~!」
その声は待合室にはもちろん、母にも聞こえていて、 「あんな大声を出して、本当に恥ずかしかった。もう絶対に一緒に行かない!」 と、言われてしまいました。
日常生活の中で軽い運動をするように、ラジオ体操をしてみるといいと勧められ、数十年振りにラジオ体操をしてみたら……。体が棒のように硬く、前屈すれば足の後ろ側が痛くなる有様で、ショックを受けました。胸を反らせたり、腕をしっかり回したり、ラジオ体操を基本通りに行えば、肩こりも防げるというラジオの番組で聞いた言葉を思い出しました。
あのしなやかな動きができるように、私はきょうもせっせとラジオ体操に精を出しています。