「少し控えなきゃ。太りすぎちゃうよね。」
私の言葉に、無言の夫。「そう思わない?」と、念を押すと、 「そう思うのだったら、食べるの控えれば?」
え!? 猫のエサのことを言っているのに、夫は私のことだと勘違いしたようで、気まずい雰囲気に……。
そう言えば、私は"控える"のが苦手です。"カロリー控えめ"と書いてあると、つい買ってしまい、控えめなら二つぐらい食べても大丈夫だと勝手に考え、結局食べ過ぎてしまうのです。人は、なぜ太るのか? それは、食べるカロリーが消費されるカロリーより多いと、体に脂肪となって蓄えられていくからです。簡単な引き算です。若いころは、基礎代謝エネルギーが高かったから、いくら食べても太らなかったのに、この頃では水を飲んでも太るような気さえします。食べる量を控えればいいのですが、それがなかなか難しい!
近所に住んでいる友人は、時々我が家へコーヒーを飲みにやってきます。お菓子を食べながら子どものことや、ファッション、夫婦喧嘩にいたるまで話題は尽きません。楽しいひと時ですが、彼女も私同様、体重を気にしています。先日、ご主人に、自分より太めの人を指して、「私ってあれくらい?」と聞いたら、「あ~、そうだね!」と言われ、ショックを受けたとか……。そんな話に笑い転げながら、私は翌日に予約した人間ドックのことが気にかかり、その日は珍しくおやつを控えめにしたのです。
ところが、9時過ぎに帰宅した夫に夕飯を作りデザートをだしたら、急に食べたくなってしまいました。シュークリームに大粒のイチゴを挟んだ特製デザートです。でも、明日は人間ドック。こんな時間に食べてはいけないことを重々承知していますが、敢えて、説明書を読んでみると、『夜10時以降の飲食はお控えください』と書いてあります。ここで、私は閃きました! 「お控えください」なんだ。「食べてはいけない」のではなく、「量を控えればいいのだ」と。こうして、自分に都合のいい解釈をしシュークリームはお腹の中に。
翌日、シュークリームのことが気になりながら受けた胃の検査も血液の検査も異常なしと言われホッとしましたが、体重計は正直でした。初めてのメタボ検診では、幾分お腹を引っ込めるようにして計りました。深く反省したのは、言うまでもありません。
"腹八分目"が肝心です。これからは、食べる量を控えなくては! ついでに、自分の恥をさらすことになるから、お喋りも控えなくっちゃ!