・米粉や地元の野菜を食べて地産地消を進めよう ・農家人口を増やすためにPRや体験農業をして「楽しい農業」というイメージを作る ・食料自給率について子どもにつたえるアニメを作ろう
これは、農林水産省が今年2月に行った「こども食料セッション~食料自給率向上に向けたこども食料大使からの提言~」で採択された提言です。全国から選ばれた21人の小学生がそれぞれの提言を発表し、話し合いをして決めました。このイベントの司会をしながら、子ども達の鋭い意見と素直な心に、日頃"食育の必要性"などと偉そうなことを言っているわが身を反省することしきりでした。
「おじいちゃんの畑でピーマンの収穫を手伝ったら、大変だったけれど、自分でものを作って食べる楽しさを知った。」 「給食は残さないように気をつけている。」 「ふる里の海や田畑は宝の山、地元でとれた旬の野菜を使って"地産地消なべ"を作った。」 「試験に、食料自給率の問題をだしたらもっと関心をもってくれるかも!?」 「農家の人に話を聞いたら、嬉しそうに野菜について教えてくれた。作っている人を好きになることも大切。」 「米作りを体験したら農家の苦労がわかった。みんなで大事に育てたお米はおいしかった。」 「賞味期限が過ぎていても、自分の鼻と舌で確認して食べたら大丈夫だった。すぐに捨てるのはもったいない。」 「自分さえよければいいという考え方はダメ。協力しないと!」 どの意見も、説得力があります。 石破農林水産大臣から、こども食料大使の任命状を受け取った時は、報道機関のカメラのフラッシュに驚いて、子ども達は緊張気味でしたが、総理大臣官邸で河村官房長官に提言書を渡した時は、保護者の方が緊張していました。
この20年程で日本の食料事情は、さま変わりし、お金さえ払えばいつでも食べたいものが食べられるようになり、食べ物を粗末に扱うようにさえなりました。その日食べることに必死だったのは、それほど昔ではないのに……。見えない手で経済が動かされ、食生活も操られているような気がしますが、実は、ひとりひとりの取り組みにかかっているのだと実感しました。
"子供たちの子供たちも、その、ずーっと先の子供たちも食べていけますように"という、キャンペーンメッセージで展開されている食料自給率向上に向けた取り組み。参加した子ども達の笑顔をみると、このメッセージに込められた思いが心にしみ、大人の責任を痛感しました。