9月半ば、喉が痛いと思ったら、鼻が詰まり熱も出て、咳をするたびに喉がかきむしられるような痛みに襲われました。かかりつけのお医者さんに風邪だと言われ、薬を出してもらいました。でも、1週間経っても良くなりません。喉が腫れて物を飲み込むのも辛くなってしまいました。夜寝ようとすると咳が出て眠れなくなり、免疫不全症だからこのまま治らないのではないかと不安になりました。
2週間経っても鼻水と咳に悩まされ、鼻声になってしまいました。友人の勧めで、別のお医者さんに行ってみました。薬はやめて乾布摩擦をするように、また前向きな考え方をし、笑うようにしなさいと言われました。そこで、毎朝起きたらニッと笑顔を作るようにしました。傍で見ていると気味悪いだろうと思いますが、これは案外効果があります。ニーッと笑いながら鏡を見たら、寝起きで髪はくしゃくしゃ、なのに笑顔の自分を見ておかしくなって声を出して笑いました。
1か月たっても咳は治まらず焦ってきました。10月半ば、皇太子さまと雅子さまの前で詩を朗読する仕事がありました。ところが、リハーサルで咳込んでしまい、本番で咳が出たらどうしようと、不安で押しつぶされそうになりました。こんな時に役立つのはイメージトレーニングです。心をこめて朗読している自分をイメージすることで、不安な気持ちを払拭するのです。功を奏して、マイクの前に立ったら、しっかり朗読することができました。
そのあと釧路へ行き、全国公民館研究集会北海道大会の司会を務めました。釧路の大会には、地元の高校生が8人も参加してくれました。高校生が聴いているので、シンポジウムも高校生にわかるように議論しようと盛り上がりました。経済の勉強をしたいということで、分科会にも参加してくれました。閉会式で、ひと言感想を求めてみたら、「学校では得られない貴重な経験をすることができた」という言葉に、大きな拍手がおこりました。研修会に高校生が参加してくれたことは、地元の公民館に目を向ける絶好の機会になったと感じました。相変わらず咳は出るのですが、閉会式でマイクを持っている間は咳が出ないのが不思議でした。
咳に苦しみながらひと月半……。まだ治まりませんが、「明日は大丈夫!」と寝る前にイメージトレーニングをし、生姜のはちみつ漬けと、今回の風邪のために購入した吸入器と毎朝の笑顔を続け、少しずつ回復しています。どうやら薬よりマイクの方が、私の風邪には効くようです。