「しばらくは 離れて暮らす コとロとナ つぎ逢ふ時は 君といふ字に」
ネット上で流行っていると、友人が送ってくれたイラストにあった短歌です。うまい! たしかに「君」という字を分解すると「コ」と「ロ」と「ナ」になります。会いたい人がいても、今はじっと我慢しなければなりません。私も仕事がなくなり、毎日家にいる生活でストレスも感じています。そんななか、心がほっこりする歌だと感心しました。作者は不明だそうですが、イラストには疫病退散の妖怪アマビエが描かれています。今や、アマビエ様にすがりたい思いです。
年度末の3月から始まった自粛生活、気になるのは、話し方講座や朗読講座に通ってくださる一人暮らしの方達です。特にご高齢の方は、毎日どう過ごしていらっしゃるのか心配です。アドレスの分かる方には、折にふれてメールしました。はじめのうちは、「お会いできる日を楽しみにしています」という前向きな返信でしたが、しだいに「いつまで自粛生活がつづくのか不安」「だれとも話をしない日もあります」「雨の日は散歩にも出られない」という内容に……。そこで電話をしてみたら、皆さんたいへん喜んでくださいました。こんなに笑ったのは久しぶりだと、おっしゃっていました。会話は心の栄養なのですね。
パソコンやスマホでZoomというアプリを使うと、顔を見ながら何人もの人たちと会話ができると聞きました。テレビ会議などによく利用されているアプリです。タイミングよく、NHKのOBの方からZoomの勉強会をしようというお誘いを受けました。指定された時間にパソコンの前に座ってzoom開始。すると、画面に懐かしい顔が映っているではありませんか!「村松さん、お久しぶりー。元気?」手を振りながら呼びかけてくれました。「ずっと具合悪いから外へ出るなと息子に言われていて、久しぶりにこうして皆さんにお会いできて嬉しい!」と、おっしゃる方もいました。やはり顔を見ながらおしゃべりするのはいいですね!
人が自分の考えや思いを伝えるとき、言葉の力は1割、口調が3割、あとの6割は表情だと言われています。Zoomを使うことによって、皆さんの笑顔に励まされ意欲がわいてきました。引きこもりでいい加減になっていたお化粧や身だしなみを整えようと思ったことも、思いがけない副産物でした。顔と顔を合わせてお喋りできるということは幸せなことだったのだと、ウイルスが教えてくれました。