コロナに背中を押されるように2020年が終わり、新しい年を迎えました。昨年は、四季折々の草花を楽しむゆとりもなく、忘年会をはじめ、さまざまな行事も中止になり、語らいながらの食事もできず、自粛に努めた1年でした。そんなコロナ禍の11月に、嬉しい再会を果たすことができました。
東京都の西部に位置する福生市で、市制施行50周年を記念する講演会が開かれました。自粛で記念イベントをなかなか開催できませんでしたが、私も協力し、11月21日にジャーナリストの池上彰さんによる「コロナ禍における公民館の学習のあり方」と題する講演会の開催にこぎつけました。福生市にはいろいろとご縁があります。市役所職員の接遇研修や公民館で子育て講座や話し方講座を担当しました。市民文化祭では、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」のリレー朗読の指導もしました。さらに、福生市が誇る七夕まつりにも数回おじゃましています。NHKの気象情報で活躍なさった中村次郎さんがお住まいで、よくご招待してくださったからです。
私は、1990年4月からNHKの夕方のニュース番組「イブニングネットワーク首都圏」を担当しました。当時社会部の記者だった池上彰さん、そして中村次郎さんとご一緒させていただきました。番組では楽しいやり取りがたくさんありました。私が「中村さん、昨日の予報ではきょうは晴れるということでしたが、雨が降りましたね」と言うと、「ごめんなさい。はずれてしまいました。でも、突然の雨で雨宿りするところからロマンが生まれることもありますよね」と、返してくる中村さん。スマホなどない時代、面白いというお手紙をたくさん頂戴しました。でも、お年のせいか近頃は元気がなくなり、奥様が心配なさっていました。
そのトリオが久しぶりに再会したのです。司会の私がステージから中村さんを紹介したら、客席の中村さんは笑顔でステージまで小走りに上がってきてくださいました。コロナ禍で元気に再会できたことが嬉しくて握手しそうになりましたが、そこは自粛、自粛。池上さんの講演終了後、記念撮影をしました。30年前の写真を手にして、「3人ともしわが増えたねー」と、笑いながら写真に納まりました。
講演の中で池上さんは、未来からの視点で現在を捉えることが大事、新型コロナウイルスの出現によりIT社会が大きく推進され、より良い社会になるはず。人類の歴史がそれを証明していると、お話しくださいました。みなさん、希望をもって2021年頑張りましょうね!