八王子市の文化芸術、スポーツ、地域づくりを担っている財団の理事長になって9か月め、「3・11メモリアルトーク」を行いました。コロナ禍で厳しい財政状況ではありましたが、私が提案すると皆賛同してくれました。予算がないので、舞台演出から集客まで、すべて自分たちですることにしました。
音楽会などのイベントは「芸術文化振興課」が担当します。舞台スタッフにもお願いしなければなりません。私が進行表を見せながら熱心に説明したら、音響のスタッフが舞台監督まで引き受けてくれました。別のスタッフが照明も引き受けてくれました。公民館にあたる働きをするのは市民センターです。災害時には地域のつながりが大事ですから、市民センターの館長さんたちにも出演のお願いをしました。市民センターの担当は「コミュニティ振興課」です。職域を超えたチームが誕生しました。
第一部は、市民防災研究所理事の池上三喜子さんによる講演、第二部は、芥川麻実子さんの創作童話「フクシマのウシ」を私が朗読します。BGMは財団職員がピアノ曲を作曲し演奏してくれました。スクリーンに映し出す絵は、職員の妹さんがボランティアで描いてくれました。朗読の後は、芥川麻実子さんの講演です。
第一部の講演の後、津波で子どもを失ったお母さんたちの想いをつづった絵本を朗読し、その間にステージ上にキャンドルを灯すという演出を考えました。そこで結成されたのが「おじさんキャンドル隊」です。ろうそくの揺らめきを表現したLEDライト60個を、真っ暗なステージ上に灯明をともすように置いていくのが任務です。「遠き山に日は落ちて」のメロディーに合わせて、静かに置いていきます。平均年齢45歳くらいの10人のキャンドル隊は、3月11日午後2時46分の黙とうに間に合うように、灯りが揺らめく舞台を作っていく練習をしました。祈る気持を表すためには膝をついて置いたほうがいいという提案に、皆が納得し、当日は素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。おじさんキャンドル隊も、スポーツ、美術館、お祭りなど財団のさまざまなセクションの担当者でした。
コロナ対策もしっかりするために、総勢30人ほどの職員が動いてくれました。財団が主催・実行するこうしたイベントは初めてのこと、しかも職場の垣根を越えて皆で協力し合ったので親近感が高まりました「職員たちを一体にまとめた理事長の巻き込み力(・・・・・)は素晴らしいですね!」「え、まきこみりょく(真貴子魅力)!?」なんていい言葉の響きなのでしょう!
[追記]
財団のホームページに、当日の映像が掲載されています。よろしかったらぜひご覧ください。
公益財団法人 八王子市学園都市文化ふれあい財団 | 愛される財団を目指して (hachiojibunka.or.jp)