「あ、村松さん、今度東海北陸公民館大会が福井であるのですが、司会をしていただけませんか?」
東京で行われた全国公民館連合会総会の時、トイレで手を洗っていたら隣の人に不意に声をかけられました。あの出会いから2年、昨年の延期を経て、やっと実現しました。昨年11月11・12日、福井県で公民館の大会が開かれました。福井県は感染者数0が続いていたとは言え、大会準備は大変だったことでしょう。他県からは残念ながら参加できなかったのですが、対面でおこなわれた2年ぶりの大会は大いに盛り上がりました。
公民館の大会には独特の雰囲気がありますね。久しぶりの大会、私はわくわくしていました。まず大会冊子に温かみがあったことに感激! 公民館大会表彰受賞者一人ひとりが、どんな取り組みをしたのかが紹介されていました。笑顔がトレードマークの東海北陸公民館連合会の江岸徹会長は、いつにも増してニコニコ顔でご挨拶。また杉本達治福井県知事のご挨拶には公民館のことが何度も出てきて、聞いていて嬉しくなりました。全公連の中西彰会長もそうですが、原稿を読むのではなくご自分の言葉で語ってくださると思いが伝わってきます。廣中達憲東海北陸ブロック代表の大会宣言文の紹介も歯切れがよく、大きな拍手をいただきました。開会や閉会の言葉からも、うれしさが伝わってきました。
二日目の分科会では「地域づくりと公民館」の司会を担当しました。二つの公民館の実践発表もじつに堂々とした口ぶりで説得力がありました。会場からもたくさんの質問が出て、福井県のみなさんの公民館に対する熱い思いを感じることができました。
ここまで男性たちの活躍をご紹介しましたが、女性たちも大活躍! アトラクションはマリンバとハープの演奏でした。福井県は日本で1,2を争うマリンバとハープの生産地なのです。演奏者の二人の女性は福井県出身。久しぶりに聴く生演奏の「ふるさと」が心に染み入りました。記念講演は、福井市出身でフレンチレストランのオーナーシェフ、秋元さくらさんによる「一歩前に わたしの人生」というお話でした。1時間の講演の後、私が質問することになっていました。NHKの「あさイチ」などでおなじみのさくらさん、国際線のCAからシェフに転職し、東京にあるお店は予約が取りにくいほど人気店になりました。コロナ禍で実際にお会いして打ち合わせする機会がなかったので、私はオンラインのZoomを使ってご挨拶だけでもさせてほしいと大会事務局にお願いしました。Zoomは使ったことがないと及び腰でしたが、大会のためだからと、事務局の二人の女性が頑張ってZoomに初挑戦、さくらさんと画面越しに打ち合わせすることができました。やはり、顔を見ながらお話しできると安心しますね。この感染症が終息しても、オンラインシステムは便利だし、時間と交通費の節約にもなるので利用され続けると思います。この打ち合わせでさくらさんと意気投合し、最初からインタビュー形式で進めてほしいとご本人からリクエストがありました。
さくらさんがシェフになろうと思ったきっかけは、さくらさんが作った料理をのちに夫になる方が「美味しい、美味しい!」と食べてくれたことだそうです。その笑顔を見たくて、転職を考えたというわけです。みなさんは、食事するとき黙々と食べていませんか? 「美味しい」という一言が人生を大きく前に進ませる一歩にもなるのです。「うれしい、楽しい、心地よい」という想いは、言葉にのせて相手に伝えることで、自分も相手も幸せになれるということを、あらためて感じました。
今回多くの皆さまと出会うことができました。なんといっても、このご縁を作って下さった大会事務局長の髙村和代さんに感謝! みんなの想いが結集して心に残る大会になりました。
今年は、公民館活動も再開できますように! 皆様にとって笑顔あふれる1年になりますように! 今年も、どうぞよろしくお願いします。