「アイエアイテ ウアアウアイオ エウ」何と言っているかお判りでしょうか?
「今やマスクは顔のパンツみたいなもの。コロナ後もマスクは外したくない」という若者もいるそうです。マスクを外した時、がっかりされるのが嫌なのだそうです。マスクをするから、お化粧も以前のようにしっかりしなくても大丈夫。 気がつけば、化粧品も以前に比べて長もちしています。いつの間にかマスクが顔の一部になってしまったような気がします。特に真冬は、マスクをしていると温かく感じられるので嬉しいですね。
長引くマスク生活、マスクを外した時、あれ、こんなに皺があったかな? 顔がたるんでいるような気がする!と、ショックを受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか。話し方講座や朗読講座では、発声練習を控えています。すると、以前は言えた早口言葉が言えなくなってしまったという人や、声が小さいために相手に何度も聞き返されたりしてしまうという人が多く、どうしたらよいかと相談されます。マスクのせいで、顔の筋肉・表情筋の動きが悪くなっているのです。これは他人事ではありません。そこで、劇団四季の方に教えていただいたトレーニングを真似してみることにしました。それが、冒頭でご紹介したものです。
日本語は、「ン」以外すべての音は、母音プラス子音でできています。日本語の発音の基本は母音をしっかり発音することなのです。劇団員の皆さんは、台本をすべて母音で発音して練習しています。ところが、これがすこぶる難しいのです。たとえば「は(ア)じ(イ)め(エ)ま(ア)し(イ)て(エ)、む(ウ)ら(ア)ま(ア)つ(ウ)ま(ア)き(イ)こ(オ)で(エ)す(ウ)」と言う場合、冒頭のような母音の並びになるのです。これは頭の体操ですよ。みなさんもぜひ試してみてください。慣れてくると、これがセリフとして聞こえてくるようになります。そして、これを続けていると口が大きく開いて、はっきりとした発音ができるようになります。私が気になるのは「ア」の発音です。「ア」は口を縦にあけて発音するのですが、「エ」の口の形で「ア」と言っている人が多いのです。みなさんは大丈夫ですか? 鏡を見ながら「ア・イ・ウ・エ・オ」と、大きく口を開けて発声練習してみてください。
講座でアドバイスをしながら、マスクを言い訳に省エネ型で話している自分を密かに反省しています。マスクをしなくてよいという状況になった時、さっそうとした表情で話せるように、今から準備しておきましょう。「エア、イアアア オエンイエ」(では、皆さま お元気で)